Microsoft365アドインの統合マニフェストと各Outlookの対応状況を検証してみました

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Office アプリは Microsoft 365 アプリになります。そしてアドイン実装方法もかわろうとしてます

と昨年、このような書き出しの記事を書いたのですが、結論を先に言うとアドイン実装方法は2023年12月15日時点ではかわろうとしている真っ最中で変わってはいません。
（記事自体はこれ→ 「Office アドイン用のマニフェストファイルが XML マニュフェストから JSONを利用したTeams マニュフェストに対応する目標に向けた第一歩を踏み出しています」）
なので今回もアドインのマニュフェストの現状把握とOutlookプレビューについて触れましょう。
注意）本記事は弊社テナントでの検証結果です。契約やテナント、もちろん確認時期によって状況が変化する可能性があることをご了承ください。

まずMicrosoft 365アドインのマニュフェストの情報はどこにある？

もちろんLearnにあります。
アドインについての開発と実装のためのマニュフェストを包括したページはこちら。
Office アドインドキュメント→ https://learn.microsoft.com/ja-jp/office/dev/add-ins/
そして、アドインの実装のためのマニュフェストについてのページはこちら。
Office アドインマニフェスト→ https://learn.microsoft.com/ja-jp/office/dev/add-ins/develop/add-in-manifests

この後ろの記事の最初の方に現在のマニュフェストについて以下の説明があります。
「すべての Office アドインにはマニフェストがあります。マニフェストには次の 2 種類があります。」
そしてそれぞれのマニフェストについては以下のように記載されています。

名称	説明
XML マニフェスト XML manifest	これは、運用環境アドインで現在サポートされているマニフェストの唯一の種類です。名前が示すように、XML 形式です。この種類のマニフェストは、アドインと他の種類の Teams アプリを組み合わせたアプリには使用できません。つまり、Microsoft 365 プラットフォームの他の種類の拡張機能です。 This is the only type of manifest that is currently supported for production add-ins. As the name indicates, it is XML format. This type of manifest can’t be used for an app that combines an add-in with some other kind of Teams App; that is, some other kind of extension of the Microsoft 365 platform.
Microsoft 365 の統合マニフェスト unified manifest for Microsoft 365	これは、Teams Apps のマニフェストとして何年も使用されてきた JSON 形式のマニフェストです。現在はプレビューとしてのみ、Outlook for Windows でのみアドインでサポートされています。運用環境のアドインでは使用しないでください。一般提供にリリースされる場合、このマニフェストを使用するアドインは、ユニット全体としてインストールできる 1 つのアプリ内の他の種類の Teams アプリと組み合わせることができます。 This is a JSON-formatted manifest that has been used for years as the manifest for Teams Apps. It is supported for add-ins only as a preview currently, and only on Outlook for Windows. It shouldn’t be used with a production add-in. When it releases to general availability, add-ins that use this manifest can be combined with other kinds of Teams Apps in a single app that is installable as a unit whole.

（表の横が画面からはみ出す場合はスクロールしてください）
簡単にいうと、「XMLマニフェスト」は従来からのOffice系アプリの拡張機能として展開してきました。「Microsoft 365 の統合マニフェスト(以下、統合マニフェスト)」はTeamsで長く利用されていたマニフェストで新しいOutlookでプレビューとしてサポートされているが本番では使ってはだめ。

統合マニフェストの展開がこの1年間なかなか進んでいない？

（全くの私見です）
この統合マニフェストの展開がわたしはなかなか進んでいないと考えています。ずれ込んだのは今年登場した Copilot にPowerを集中したからだと考えています。マイクロソフトはCopilotを様々なアプリに展開したい。もちろん統合マニフェストがよいけど、ExcelやWord等にはまだ統合マニフェストの展開が終わっていなかった。って感じでしょうか。
もう一つは「One Outlook」の展開も徐々に進んでいる。展開はもちろん慎重に行われていますし、従来の Outlook on Windows デスクトップクライアントもサポートは続いています。しかしMac、Windows、ブラウザで同じコードのOutlookに集約しようとする展開はやはり進んでいるというところでしょう。

OnTimeのアドインについて

さて、OnTimeがExchange（Onlineとオンプレの両方）とリアルタイム同期で利用できるのはこのページを読んでいる人には当たり前かもしれません。これもれっきとしたアドインといえます。ここではOnTimeクライアント機能を他のMicrosoft365アプリの画面の中で利用できるアドオンに絞ると以下のようなアドオンを現在は提供しています。

Outlook アドイン　XMLマニフェスト
アプリバー（旧Outlookではナビゲーションバー）にOnTimeを追加
Outlook 日程調整アドイン　XMLマニフェスト
会議招待に関するメールから日程調整オプションを呼び出して日時調整を相談できるツール
Teams タブアプリ　統合マニフェスト
Teamsのチームのチャネルにタブとして追加してOnTimeを開くときの初期メンバーをチャネルメンバーとして表示
Teams レールアプリ　統合マニフェスト
Teamsの画面左の縦に並ぶ部分にOnTimeを追加して起動できるショートカット的な機能(日本ではアプリバー、ナビゲーションバーやレールバーと呼ばれています)

今回は、上記の 1．4．のOnTimeアドインのOutlookでの表示をベースに各Outlookのアドインマヌフェスト対応状況を確認してみましょう。

先にまとめとして検証結果

今回は以下の3つのOutlookを利用して動作確認を行いました。

従来のOutlook
新しいOutlook
現在のOutlook on the Web

３つのアプリの現在の状況を表にすると以下のようになります。各Outlookでの画面は後半に貼り付けています。

	従来のOutlook	新しいOutlook	Outlook on the Web
アドインのマニフェストの種類	XMLマニフェスト	Microsoft 365 の統合マニフェスト	Microsoft 365 の統合マニフェスト
アドインの追加画面	標準以外も追加可能	Microsoftアプリで固定	標準以外も追加可能
グループスケジュール表示 (Outlookの機能)	表示可能	×	×
OnTime Outlook アドイン (XMLマニフェスト)	利用可能	×	×
OnTime Teams レールアプリ (統合マニフェスト)	×	×	利用可能
備考	現在もサポートされています	利用を推奨。ただしアドインを利用している場合はまだ本番運用では使わないことを推奨	アドインの追加画面はページ後半にあります